2023/03/01
吹田市江坂にある【いしかわクリニック】です。
皆さんは、肛門外科で診療を受けたことはありますか?肛門外科とは直腸や肛門を専門的に扱う外科になります。消化器官の一番下に位置する肛門は、我々人間にとって非常にデリケートな部位です。粘膜下の静脈が発達しており、痔をはじめとする多くの疾患が発症します。この記事では肛門外科について、扱う疾患例や疾患の中でも受診される理由の「痔」について紹介したいと思います。悩みや不安がありましたら当院へご相談ください。
肛門外科
肛門外科では、その名の通り肛門についてお悩みをお持ちの患者様を診療します。ほとんどの場合は痔の疾患(イボ痔や内痔核)が多い診療科目となります。他の疾患例を挙げるとすれば、肛門周囲膿瘍や肛門ポリープといった疾患も診療することがあります。
お尻のお悩みはデリケートな分、人に相談しづらいかもしれませんが、放置せずに勇気を出してご相談ください。稀に肛門がんが発見されることもあります。ご相談いただくケースは個人差があり様々です。肛門から出血した、痛い、かゆみが出た、些細なことでも相談することは大切です。
肛門外科での主な疾患
痔核
一般的には「いぼ痔」と呼ばれるものです。正式な疾患の名前は痔核といいます。肛門付近は静脈が密集しており血流が悪くなることで鬱血します。鬱血するとこぶのように膨らんでしまい、その状態がいぼ痔です。発症する場所によって、外痔核、内痔核に分けられます。ひとくくりに「痔」といっても、種類はいくつかありますが、その中でも最も疾患数が多いのが痔核です。
外痔核
肛門のつくりは、直腸と肛門がつながっており、その間に歯状線(しじょうせん)というものが挟まれています。外痔核はその歯状線よりも外側にできた痔のことを言います。内痔核と外痔核はできる場所で区別しています。外側に膨らみができるため自身で触れることができ、強い痛みを伴う場合があります。薬を処方して治す場合や痛みが強く大きい場合は切除することもあります。
肛門ポリープ
肛門ポリープとは、先ほど説明した歯状線あたりにできるふくらみのことを言います。線維性、炎症性のもの、硬いしこりができることもあります。下痢や便秘を繰り返すことにより発症する疾患です。また、慢性的な切地や痔核などをきっかけにできることもあります。
痔瘻
膿が肛門や直腸周辺にたまります。すると肛門と肛門周辺の皮膚との間に管(瘻管)ができ、しこりへと変わります。痔瘻(じろう)とは、このしこりのことを言います。症状としては肛門から膿が出てくることに加え、膿のせいでかゆみや違和感を覚えます。受診される理由はしこりが気になる、排便とは関係のない痛み、発熱が理由で来院される方もいらっしゃいます。
瘻管がふさがり膿が排出できなくなり、痛みや腫れの症状へと変わります。膿が胚珠されるようになると症状が緩和しますが、基本的には、痔瘻になると手術が必要になります。
痔の治療
ジオン注による日帰り治療法について
ジオン注とは、硫酸アルミニウムカリウム水和物とタンニン酸を有効成分とした注射薬剤のことです。脱出(脱肛)や出血を伴う内痔核(いぼ痔)に、このジオン注を直接注射して痔核に流れ込む血液の量を減らし、痔核を固めて小さくし、 引き伸ばされていた支持組織を元の位置に癒着、固定させる治療法です。
注射で固める治療法ですので、痔核を切り取る手術と違って傷口の痛み、出血が少なく、痛みを感じない部分に注射するので治療後の痛みもほとんど有りません。早ければ注射翌日から内痔核(いぼ痔)からの出血、脱出(脱肛)の改善が期待できます。
ジオン注による日帰り治療の流れ
まずは受診していただき、ジオン注射の適応であるかを確認します。ジオン注射の適応であれば、治療の日程を相談します。
治療当日、来院していただくまでは特に制限などはありません。
来院していただいたら着替えていただき、横向きに寝ていただきます。
肛門に3カ所局所麻酔の注射をして、専用のZ式肛門鏡で観察しながら痔核にジオン注を注入します。
治療する内痔核の数にもよりますが、治療時間は10〜20分程度です。
治療後20分ほどリクライニングチェアで休んでいただき問題なければ帰宅していただきます。
帰宅後はお食事していただいて問題ありません。
日常生活程度の動作も問題ありません。
治療当日はシャワー浴としていただき、翌日から普通に入浴できます。
後日、経過観察のために来院していただきます。
まとめ
肛門は痔をはじめとする多くの疾患が発症します。肛門外科について、扱う疾患例や疾患の中でも受診される理由の「痔」について解説しました。悩みや不安がありましたら、吹田市江坂にある【いしかわクリニック】へご相談ください。