2023/06/05
吹田市の江坂市にある消化器内科【いしかわクリニック】です。今回は胃炎と胃潰瘍について説明します。胃炎と胃潰瘍は、両者とも胃の病気ですが、その原因や症状には違いがあります。この記事では、胃炎と胃潰瘍の違いや予防法について専門的な知識を深めていきましょう。
胃炎と胃潰瘍の違いと症状
胃炎の定義と症状
胃炎は、胃の内壁を覆っている粘膜が炎症を起こす状態を指します。胃炎はさらに急性と慢性の二つに分類されます。急性胃炎は、食物やアルコールの過剰摂取、ストレス、特定の薬物摂取などにより突然発生します。主な症状は上腹部の痛みや不快感、食欲不振、吐き気、嘔吐などがあります。
一方、慢性胃炎は長期にわたる炎症により胃の粘膜が徐々に破壊されていきます。ヘリコバクター・ピロリ菌の感染が主な原因で、特に日本では高い感染率を示しています。初期段階では症状がほとんど現れないことが多いのですが、進行すると胃痛、胃もたれ、食欲不振、吐き気などが現れます。
胃潰瘍の定義と症状
胃潰瘍は、胃の粘膜が慢性的に炎症を起こし、その結果、粘膜層が侵食・潰瘍化する病態を指します。胃潰瘍の原因は胃酸の過剰分泌やヘリコバクター・ピロリ菌の感染、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の長期使用などが主に挙げられます。
胃潰瘍の症状は、食事後や空腹時に腹痛が起こることが特徴的です。これは胃酸が潰瘍部に作用することで痛みが生じるためです。また、胃潰瘍が進行し、胃壁が深く侵されると、胃液や食物が血管に混じり、吐血や黒色便(消化性潰瘍)を引き起こすことがあります。これらは緊急を要する症状で、すぐに医療機関を受診する必要があります。
胃炎と胃潰瘍の病因とリスク要因
胃炎の病因とリスク要因
胃炎の原因は様々ですが、最も一般的な原因はヘリコバクター・ピロリ菌(H. pylori)の感染です。この細菌は、胃の内壁を覆う粘膜を侵害し、炎症を引き起こします。慢性的な感染は、潰瘍や胃癌のリスクを高めることが知られています。
他にも、過度なアルコールの摂取、一部の薬物(特に非ステロイド性抗炎症薬、NSAIDs)、過度のストレス、自己免疫疾患などが胃炎を引き起こす可能性があります。
リスク要因としては、高齢、喫煙、遺伝的要素(家族歴)、不適切な食事(過度のスパイスや油分の多い食事)などが挙げられます。
胃潰瘍の病因とリスク要因
胃潰瘍の主な原因もヘリコバクター・ピロリ菌の感染です。この細菌は胃の粘膜を侵害し、胃酸が胃壁を侵食するのを助けます。また、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の長期使用も胃潰瘍の一般的な原因です。これらの薬は胃を保護する粘膜の生成を妨げ、胃酸が胃壁を侵食するのを助けます。
胃潰瘍のリスク要因としては、長期的なストレス、過度のアルコールの摂取、喫煙、高齢、家族歴などがあります。特に、喫煙は胃の血流を減少させ、胃粘膜の修復能力を低下させることが知られています。また、一部の遺伝的要素や健康状態(例えば、肝臓疾患や腎臓疾患)も、胃潰瘍のリスクを高める可能性があります。
胃炎と胃潰瘍の予防法
適切な食事と生活習慣
胃炎や胃潰瘍の予防には、適切な食事が大切です。胃に負担をかけない食事を心がけること、例えば刺激物の少ない食事や食事の量を適切に調節することが必要です。また、定期的な運動や規則正しい生活リズムを保つことで、胃の健康を維持します。
ストレス管理とリラクゼーション法
ストレスは胃炎や胃潰瘍の大きなリスク要因です。リラクゼーション法を身につけ、ストレスを適切に管理することが重要です。ヨガや瞑想、深呼吸などのリラクゼーション法を活用しましょう。
薬物療法と医師の指導
胃炎や胃潰瘍の予防には、適切な薬物療法が必要です。特に、ヘリコバクター・ピロリ菌の感染がある場合は、医師の指導のもとで適切な抗菌療法を行うことが重要です。また、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を使用する場合は、胃を保護する薬も併用するなど、医師の指導に従いましょう。
まとめ
胃炎と胃潰瘍は、ともに胃の病気ですが、原因や症状、治療法に違いがあります。それぞれの病気の特徴を理解し、適切な食事や生活習慣、ストレス管理、薬物療法を通じて予防することが重要です。そして、症状が見られた場合は早期に医療機関での診察を受けることをお勧めします。
胃炎や胃潰瘍をお考えなら、吹田市江坂の消化器内科【いしかわクリニック】までご相談ください。私たちはあなたの健康をサポートし、適切な治療法を提供します。あなたの健康な毎日を取り戻すために、私たちが全力でサポートします。