胃カメラ
胃カメラ検査をおすすめする症状・発見できる疾患
- 酸っぱいものが上がってくる感覚がある方
- げっぷの回数が多い方
- 黒い便が出る方
- 喉の違和感や、食べ物のつっかえ感が長く続く方
- 食欲不振、急激な体重減少がある方
- 家族・親戚に胃がんやピロリ菌感染の経験者がいる方
- 胸焼けや、胃もたれ、胃や胸の痛みが長期間ある方
- 40歳以上の方で、これまで一度も大腸カメラ検査を受けたことがない方
など
上記に該当する方には、胃カメラ検査の受診をおすすめいたします。
胃カメラ検査を行った後の行動と注意事項
- おなかが張ってきますので、ガスをどんどん出してください。時間が経つにつれ楽になります。
- しばらくのどの違和感が残ることがありますが、自然に取れます。
- 色素を使用した場合、便に少し青色がつくことがありますが、自然にとれてきます。
- 当日は消化の良い食事をとり、アルコール、コーヒーなどの刺激物は避けてください。
- のどの麻酔がとれるまで、しばらくの間、喉や口の中がしびれています。うがいをしてもかまいませんが、お水等を飲むことができません。
- 検査終了1時間後に水を飲んでむせないようでしたら、食事をとってもかまいません。
- 鎮痛剤を使用した場合は、注射の影響で眠くなったり,ふらつき感等があります。検査当日は、終日の車・バイクの運転は避けてください。
ピロリ菌の診断・治療
ピロリ菌は胃の中に住む細菌で胃炎や胃潰瘍の原因となり、胃がんの発生にもピロリ菌が大きく関与しています。検査でピロリ菌が確認された場合は、3種類の薬を1週間内服する除菌治療を行うと、9割もしくはそれ以上の確率でピロリ菌を除菌することが出来ます。保険診療では2回まで除菌治療が可能ですので、一次除菌で成功しなかった方に対しては、薬の種類を変えて同じように1週間内服し、除菌を行います。中には2次除菌を行っても成功しない場合があります。その場合は保険診療の適用外で3次除菌の治療を受けるか、3次除菌を受けない場合には、より慎重に胃炎や胃潰瘍の早期発見・早期治療に取り組むことをおすすめいたします。
薬服用の際の注意点
ピロリ菌の除菌作業で最も重要なことは、治療薬を決められた用法でしっかり飲むことです。飲み忘れや必要な種類と量の薬をきっちり飲まれない場合ピロリ菌の除菌成功率が大幅に減少してしまいます。治療中のアルコールの摂取については、厳禁です。薬の抗生剤がアルコールの分解を阻害する為、期間中のお酒は辞めましょう。服薬中の副作用として、人によっては軟便・下痢、味覚異常、アレルギーによる発疹や痒みなど出る場合が御座います。重篤なアレルギー反応が出た場合などは治療を中断するケースもありますが、基本的に生活に支障をきたすような副作用が出る方は少なく、軽い軟便・下痢や味覚異常であれば、そのまま内服を続けていただいて問題ありません。
胃カメラ検査で異常が見られない場合
胃もたれや胃の痛みなどの症状が、慢性的に続いているのにもかかわらず、胃カメラ検査を行っても、ピロリ菌や十二指腸潰瘍や胃がんなどの異常が見つからない場合、機能性ディスペプシアの可能性があります。胃がんのように、命にかかわるものではありませんが、患者さまの生活の質を大きく低下させてしまう病気です。治療には漢方などを含む適切な処方薬もあります。
機能性ディスペプシアとは
以前まではストレス性胃炎などと診断されていましたが、近年「機能性ディスペプシア」という病名になりました。
胃には、食べ物をためて、十二指腸に送りだす胃排出能という機能があり、これらに何らかの原因(不規則な食生活・喫煙・過度なアルコール・ストレスや過食など)で異常が生じて症状が引き起こされると考えられています。また、胃酸や高脂肪食、ピロリ菌感染、胃腸炎などの炎症によって、十二指腸や食道の知覚過敏や運動障害が悪化する事も原因の一つだと考えられます。
症状だけで機能性ディスペプシアの診断を下すことはできません。似たような症状(胃十二指腸潰瘍・胃がんや、胃の周辺臓器の悪性腫瘍)がないことを検査で確認することが重要です。実際に胃カメラ検査などを行うことを強くおすすめいたします。